Malta Artpaper #7


抄訳/abridged translation(p26 3rd col.)


戸高千世子(1966年-)は瀬戸内トリエンナーレに発足以来参加しており、今年は自身のインスタレーション「豊島の気配」( Teshima Sense )を更新している(「彼方の気配」/直島)。

豊島は、島内への大規模な産廃不法投棄事件(豊島事件)で知られ、持ち込まれた大量の産廃、そして「産廃の島」という偏見と闘ってきた過去を持つ。戸高は「豊島の気配」(Teshima Sense)という作品を、農業用ため池を借りて設置している。それは2枚ひと組の半透明の羽根が、池の上に無数に並び、自然の風をうけて揺れ動く作品だ。

「多くの人びとが、羽根の動きに見入りながら、島の光と風を感じて、長い時間そこに佇んでゆきました」と彼女は言う。「自然や人間社会の中にある儚(はかな)いもの、様々な場で取り残され、忘れられ・打ち捨てられるものたち、それらに共感し、その中にある価値を見いだし、表現すること。それはあらゆる傲慢さへの怒りの表現でもあるのです」。


註)「豊島の気配」は2010年に展示され、現在は展示終了。